ブックオフで考えた
平日の午後、古着や食器、雑貨なども扱うブックオフに行った。
もう使わないベビーグッズとかを売るためだ。
買取窓口の列に並ぶ。窓口は一つ、わたしは四組目。
すぐ順番まわってくるなーと思いきや突然スタックした。
オバチャンが窓口の店員にあれこれアレコレあーでもないこーでもない言うてはる。
スマホアプリにログインできないとか身分証明書を家に置いてきたとか
パスワードがわからないとか云云かんぬん。
…それここで聞くことかいなと、その場にいた全員が思ってた(と私は感じた)。
売ろうとしてはるものを見ると、
古~い箱入りの食器セット(引き出物的な)一つと、古~い衣類のようだ。
たぶんだけど、二束三文。
60代後半~70代くらいのマダムやし、
きっとアプリ入れた(or 入れてもろた)はいいけど色々ワカランにゃろなあ。
誰に/どこに問い合わせたらいいかもワカランにゃろなあ。
だからこのチャンス逃してなるものかとばかり、
目の前の店員さんにすがってはんにゃろなあ。
わかる、わかるよ。だから私はウンザリしてるけど腹を立ててはいないよ。
でもオバチャン、いっぺん後ろ見てみ。
列がどんどん長くなってもう12組くらいになっとるえ。
などと思っていたら、私の数組後のオッサンがかなりでかい声で
「あーあ、時間かかってんなあ!」と発しその場に座りこんだ。
ハッとして振り向くオバチャン。周りを見回し状況を把握したオバチャン。
かすかに会釈し、でもまた店員にゴチャゴチャ言い続けるオバチャン。
さらに長くなる行列、悪化の一途をたどる場の雰囲気。
さすがに察してもう一つの窓口を開けた別の店員。ホッとするみんな。
少ししたらオバチャンは後ろの行列にむかって曖昧な笑みを浮かべ、
スミマセンデシタと頭を下げて逃げるように去っていった。
20分くらいの時間を使っただけで、たぶん何も解決しないままに。
その後すぐに私の順番は回ってきて、手続きはアッサリ終わった。
オバチャンがすごく悪いわけじゃないのよね。ちょっと解ってへんかっただけ。
それに私はやたら空気読めって他者に要求する風潮は好きじゃない。
情報弱者世代の親を持つ身としては、
彼女自身が困っていて、周りを気遣う余裕がなかったであろうことも理解できる。
だから、あの場に悪い人は誰もいなかったんだけど、あの場の誰もがみんな困ってた。
IT化の推進がどーちゃらこーちゃらと世間で言われているが、
こういう、置いてけぼりを食らいそうな人はどうなんにゃろ。
今は若くて時代に付いていけてる人であろうとも明日は我が身のはず、
置いてけぼり事案が世に増えませんように。
ところで一年前にこのブックオフにて¥2980で購入したウクレレ、
それに別で買うたソフトケースを付けた状態で売ったら、10円だったぞ。
いやまあ、リサイクルショップがそういう仕組みなのはわかってるし、
今までも本やCDを売ったことはあったから知ってるけども!けれども!!
…ちょっと切なかったねえ。